目次
- はじめに
- 武満徹 ― タイトルから惹かれる音楽
- スティーヴ・ライヒ ― 「繰り返し」の面白さ
- おわりに

はじめに
前回、現代音楽について少し書きました。
(先月の話題になってしまいましたが・・😅)
それを読んだけど
「現代音楽って結局どんな音楽なんだろう・・?」と、
まだ実感が湧かない方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、助けになるかどうかは分かりませんが、私が好きな現代音楽を2人の作曲家を通してご紹介したいと思います。
私自身も、これまで現代音楽を聴いてきましたが、中には「この曲とはまったく共感できないな」と思ってしまう作品もありました。
それでも、「これは好きだな」と思える作品に出会えたことで、現代音楽との距離が少し縮まったように感じています。
武満徹 ― タイトルから惹かれる音楽
まず一人目は、武満徹です。
武満徹は、もう亡くなられていますが、日本を代表する作曲家です。
私自身、イギリスに留学していた頃に、日本の作曲家というと「武満徹」という名前を耳にする機会が多く、本当に世界的に有名な日本人作曲家なんだということを何回も実感する機会がありました。
その中でも、私が一番おすすめしたい作品が、
《Quotation of Dream(夢の引用)》です。
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夢の引用/Quotation of Dream~Love and Soul of Toru Takemitsu
私は、このタイトルが本当に素敵だなと思います。
タイトルを見ただけで、音楽を聴く前から想像力がかき立てられます。
なんだか詩的な響きがあります。

そして、この作品には、ドビュッシーの《La Mer(海)》が引用されています。
私は、その引用されている部分もとても好きです。
作品は、どこか夢の中を漂っているような、不思議な浮遊感がある音楽です。
オーケストラの響きも本当に美しく、私は何度聴いても引き込まれます。
現代音楽というと、「難しい音楽」というイメージがありますが、
この曲はまず音の響きを楽しむだけでも十分だと思います。

そして、武満徹についてもう一つ好きなのが、作品のタイトルです。
武満さんのタイトルは、とても不思議な感じで、詩的なんですよね。
例えば、《鳥は星形の庭に降りる》という作品があります。
タイトルだけで、何だろう、と想像したくなりませんか・・・?
武満さんはエッセイや対談集もたくさん出版されています。
私も何冊か読んだことがあるのですが、その中で印象に残っているのが、
「まずタイトルが生まれ、そこから音楽が生まれてくることがある」というお話でした。
また、武満さんは音楽だけでなく、美術にも深い関心を持っていて、そこから多くのインスピレーションを得ていたそうです。そのせいか、作品を聴いていると、音楽というより一枚の絵や風景を眺めているような気持ちになることがあります。
それらのお話は、とても印象に残っています。
武満徹の作品の魅力の一つは、タイトルの時点で、
もう一つの世界が始まっているように感じられるところです。
スティーヴ・ライヒ ― 「繰り返し」の面白さ
もう一人、私が好きな現代作曲家にスティーヴ・ライヒがいます。
スティーヴ・ライヒはアメリカの作曲家で、「ミニマリズム」という手法で知られています。
ミニマリズムというと難しく聞こえるかもしれませんが、
短いフレーズを何度も繰り返しながら、その中で少しずつ変化していく音楽です。
私には、その変化が、まるで生き物がゆっくり成長していくように感じられます。
ところで、以前、友人にライヒの曲を聴いてもらったことがあるのですが、
「これって電子音なの?」という反応でした。
でも実は、演奏しているのはアコースティック楽器なんです。
でも、初めて聴くと、電子音ぽい感じに聞こえるのもわかる。
演奏するところみないと、「どうやってこんな音を作っているんだろう」と驚く方も多いと思います。
YouTubeには演奏動画もたくさんありますので、ぜひ映像と一緒に見てみてください。
私のおすすめは《Octet》です。
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Reich: Octet / Music for a Large Ensemble / Violin Phase
そして、繰り返しの音楽と聞くと、「同じことを繰り返しているだけ」と思ってしまうかもしれません。
でも、実際はそうではありません。
繰り返しの中で少しずつ音が増えたり、リズムが変わったり、楽器同士の関係が変わったりして、音楽全体がゆっくりと展開していきます。
一見シンプルに聴こえるのですが、その裏側にはとても緻密な構成があります。
初めて聴くと、その不思議な響きやリズムに耳を奪われると思いますが、何度か聴いているうちに、
「こんなに計算されていたのか」と新しい発見があるのも、ライヒの音楽の大きな魅力だと思います。
また、この「繰り返し」という考え方は、今のポップミュージックやテクノ、エレクトロニカなどにも通じるものがあります。
だからこそ、現代音楽の中でも比較的入りやすく、若い世代にも親しまれている理由の一つなのかな、と私は感じています。
もうかなり前になりますが、スティーヴ・ライヒが武満徹作曲賞の審査員として来日した年、
私は演奏会を聴きに行く機会に恵まれました。
🎵武満徹作曲賞について
そのときにライヒ作品の演奏会も開かれ、幸運なことに私も聴きに行くことができました。
もちろん、会場にはライヒ本人もいました。
私は一度、「本人がいる演奏会で作品を聴きたい」と思っていたので、本当に感激したのを今でも覚えています。
そして、そのときに一番驚いたのは、お客さんの年齢層でした。
当時、ライヒはすでに70代でしたが、会場には20代くらいの若いお客さんも多く、
その光景がとても印象に残っています。
私は当時、現代音楽の演奏会というと、もっと年齢層が高いものだと勝手に思っていました。ところが実際に会場へ行ってみると、20代くらいの若い方も多く、「こんなに若い人が聴きに来るんだ」と驚いたのを覚えています。
この記事でも書かれているように、ポップカルチャーにも影響を与え、現代の感覚にも通じる音楽だからこそ、若い人たちにも支持されているのかもしれません。
おわりに
今回は、私が好きな現代音楽を2人の作曲家を通してご紹介しました。
もし少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ一度聴いていただけると嬉しいです。
そこから意外と、「現代音楽って面白いかも」と思える作品に出会えるかもしれません☺️。





