ピアノの練習や勉強、生活の中での習慣――。
どれも「続けたい」と思うのに、気づけば三日坊主になってしまったり、途中でやめてしまった経験は誰にでもあると思います。
私自身も、小さい頃からピアノや勉強、生活習慣の改善など、習慣化したいと思ってもうまくできなかったり、悩んだことがありました。

では、どうしたら物事を長く続けられるのか。
今日はそのことについて、私自身の経験から思ったことや本からの学びを交えながら書いてみたいと思います。
結論から言うと、続けるために一番大切なのは「強い動機があること」だと思います。
それも、自分だけの個人的な動機ならばなお良いと思います。
継続について思うこと
私は小学校、中学校、高校、大学、そして社会人になってからも、勉強習慣や生活習慣、楽器の練習などをそれなりに続けてきました。そうした中で実感したのが、「結局続けられるかどうかは動機の強さで決まるのでは・・」ということでした。
例えば、海外赴任が決まったから英語をやらざるを得ない、という話。
たまに聞きますよね、そう言う話。
もう、仕事だから、やるしかない。
これは目的がはっきりしているので、必ず勉強します。
そしてその裏には、「海外でちゃんと仕事をしたい」「現地の人と意思疎通できるようになりたい」という動機があります。
目的と動機の両方がそろっているからこそ、勉強が習慣になるんだと思います。
でも、「いつか行くかもしれない海外旅行のために英語をやろう」くらいだと、どうしても目的がぼんやりしてしまいます。動機も「できたらいいな」という程度にとどまるので、結局続かなくなってしまいがちではないでしょうか。
目的と動機の違い
ここで少し整理してみたいのが、「目的」と「動機」の違いです。
- 目的は「ゴール」や「到達点」。
例:英語で仕事ができるようになる、ピアノで発表会に出る。 - 動機は「なぜやりたいのか」という気持ち。
例:好きな映画を字幕なしで理解したい、大好きな曲を自分の手で弾きたい。
私の場合で言えば、目的は「音楽の勉強を続けること」ですが、その裏にある動機は「小さい頃から自然に音楽に触れてきて、やっぱり好きで、続けたいと思える気持ち」です。
つまり、目的は“何をするか”、動機は“なぜやりたいか”。この「なぜ」の部分が強ければ強いほど、続ける力になります。
小さくても強い動機があれば動ける
逆に、目的が小さくても強烈にパーソナルな動機があれば、人は自然と動くと思います。
たとえば「大好きな映画を英語で絶対に聞き取りたい!」という気持ち。
そんなシンプルな理由でも、強い思いがあれば行動につながると思います。
私は音楽もまったく同じだと思っています。
本『ヤクザときどきピアノ』から学んだこと
以前読んだ『ヤクザときどきピアノ』という本にも、そのことを実感させられるエピソードがありました。
(ちなみに、タイトルは奇抜ですが、この前も職場でピアノの話をしたときに、「この本すごくおすすめですよ。タイトルはちょっとびっくりするかもだけど、中身は初心者が練習を続ける上でとても役に立つ内容です」と勧めたくらいの良い本です😄)
※リンクはAmazonの公式ページに移動します。
著者はある日、アバの「ダンシングクイーン」を聴いて雷に打たれたような衝撃を受け、
「絶対にこれをピアノで弾く!」と強く思いました。
そして、その瞬間からピアノが彼の人生に入り込み、先生を探し、そして、練習するという人生になりました。まさに強い動機の力です。
また、この本が面白いのは、単なる体験記ではないところです。
作者はピアノ初心者でありながら、ジャーナリストのように膨大な文献を読み込みながらピアノを練習しているんです。体の使い方やピアノの歴史など、知識の裏付けが豊富で、私も、読んでいてとても学びになりました。
刊末には参考文献がずらっと並んでいて、「こんな本があるんだ!」という発見も多く、実際に私もそこから何冊か購入して読んでみました。
他にもある強い動機の例
テレビで見た例も印象に残っています。
ある漁師さんが、女性ピアニストの「ラ・カンパネラ」を聴いて衝撃を受け、全くピアノ経験がないのに「弾く」と決めて練習を始め、かなりの時間(9年かかったそう)をかけて最終的に本当に弾けるようになったという話です。
私の動機について
私の場合は、いきなり人生を変えるような衝撃的な出来事があったわけではありません。小さい頃からずっとピアノや音楽に触れてきて、だから自然と続けている――それが私の動機です。
一見すると「強い動機」というより「ただ続けているだけ」に思えるとも思います。
でも、音楽の勉強をしていることが、割と日常で、自然に続けられるということが、大きな力なんじゃないかと思います。
やっぱり、音楽は、好きで、面白く思える。
だからこそ、色々あっても、また戻ってこられる。
もちろん、疲れたらお休みすることもありますが、それでも「やっぱり続けたい」と思える。
その気持ちは、一時的な熱よりも私を支えてくれると思います。
だから私にとっては、「自然に続いている」ということ自体が、静かだけれど確かな“強い動機”なのだと思います。
最後に・・自分の大好きな曲を弾いてみよう
もし最近「練習が続かないな」と感じているなら、まずは自分の大好きな曲を1曲選んで弾いてみるのはどうでしょうか。
上手に弾けなくても、「この曲が好きだから」という気持ちが、次の一歩を支えてくれると思います。
あなたにとって「弾きたい!」と思える一曲は何でしょうか?


