はじめに:音楽は「趣味」だけじゃない?
最近よく耳にする「リスキリング」という言葉。
意味を調べると、「新しい環境に適応するための学び直し」と書かれています。
私も職場では、中堅になってきたので、
この言葉はちょっと気になったりします。
では、ピアノを弾いたり、楽器を練習したり、音楽を勉強することは、
リスキリングに当たるのかな?
――そんな疑問からこの記事を書きました。
結論から言うと、リスキリングがここで言う、
「新しい環境に適応するために必要なスキルを習得するを学ぶこと」
ならば
音楽を学ぶこと、知識を得ようとすることはリスキリングになる
と思っています。
今回は、なぜそう思ったのか書いてみたいと思います。
音楽を通して、英語を学ぶモチベーションを
まず、音楽を学んでいると、自然に英語に触れるようになります。
クラシックでもポップスでも、英語やイタリア語の用語が多いですし、
音楽の分野でもYouTubeなどの海外コンテンツは英語でのコンテンツの方が情報量が圧倒的です。
たとえば、「Pianote」というピアノ学習者向けのYouTubeチャンネルがあります。
チャンネル登録者数 229万人の人気チャンネルなのですが、ここでは、初心者向けの基礎練習から、コード理論、即興演奏のコツ、練習のモチベーションの保ち方まで、本当に幅広い内容が紹介されています。
もし英語を理解できれば、
このチャンネルのレッスン内容をそのまま自分の練習に活かすことができます。
また、私の場合は、音楽理論を調べたいとき、まず英語で検索しています。
英語だと説明が簡潔で分かりやすいことが多く、日本語よりも圧倒的に多くの情報が見つかるからです。
音楽の英語は、決して上級レベルでなくて大丈夫!
文法や単語もシンプルなものが多いので、中級レベルくらいでも字幕などで工夫すれば十分理解できます!
また、海外のサイトや動画では、いろいろな人が自分の言葉で説明しているので、
最初はわからなかったことでも、次の説明で「なるほど」と理解できることがあります。
同じテーマでも、人によって切り口や言葉の選び方が違う――
その多様さが、学びの幅を広げてくれるんですよね。
私自身、英語で音楽を学ぶメリットを実感しているので、
「もっと英語を理解できるようになりたい」
というモチベーションにもつながっています。
英語を通して音楽の知識を深めることが、
結果的に英語の勉強になり、今後のスキルの一つとしてキャリアにも生かされるのでは?と思っています。
音楽を通じてAIリテラシーを身につけた

もう一つ、大きな変化がありました。
それはAIに触れるようになったこと。
音楽理論や音楽史を調べるうちに、ChatGPTを使い始めました。
最初はただの検索ツールのように使っていましたが、だんだん慣れてきて、今では仕事でも使うようになり、文章を整理したり、わかりやすく伝えるために業務対応説明を考えたりするのにも使うようになりました。
また使っていくうち色々可能性も見つかって、職場でも今後どんなふうに活用していくかという事を話せるようになりました。
テクノロジーは私には関係なく、苦手だと思っていたけど、音楽を通してAIに興味を持てたのは自分でも意外でした。
「音楽から始まった学び」が、いつの間にか仕事にも生かされていて、これもまさに一つのリスキリングかな?と思います。
音楽から数学的思考を学ぶ
また、私の場合、音楽理論を勉強していると、
「あれ、これって数学に似てるな」
と感じる瞬間が結構あります。
それもそのはず。
リズムの比率、和音の構造、音程の関係
――すべてが数字と関係しているんですよね。
音楽の始まりをたどると、ピタゴラスが弦の長さと音の高さの関係(整数比)を研究したところに行き着きます。
そこには「音の美しさには数学的な法則がある」という考え方があり、
その後の音楽理論の基礎にもなっています。
その重要さに気がついてから、
学生の頃は数学が大の苦手だった私も、音楽を通して初めて数の奥深さに気づきこのような本も読むことになりました。

ブルーバックスなんて、理系の人が読む本だと思ってたのに、
まさか自分が手に取る日が来るなんて――本当にびっくりです!
この3冊は、音楽の数学的な部分をやさしく理解できる本としておすすめです!
私もすべてを理解しているわけではありませんが、
読んでいると知的好奇心がじんわり満たされます。
※Amazonの公式購入ページに移動します。

音律と音階の科学 新装版 ドレミ…はどのように生まれたか (ブルーバックス 2060)

作曲の科学 美しい音楽を生み出す「理論」と「法則」 (ブルーバックス 2111)

楽器の科学 美しい音色を生み出す「構造」と「しくみ」 (ブルーバックス)
たとえば、音の仕組みや関係を考えるときって、けっこう“順序立てて考える力”が必要なんですよね。
そう思うと、数学ってただの数字じゃなくて、「考え方を鍛えるトレーニング」なんだなと思うようになりました。
大人になってから学ぶと、
「学生のころはピンとこなかったけど、今ならわかる!」っていう瞬間がけっこうあって、音楽を通して学び直すことの楽しさをあらためて感じています。
音楽を通して、自分をちょっとずつアップデートしていく
ここまで書いてきて思うのは、
リスキリングって
今ある知識や経験にとらわれず、
別の分野から少しでも学びを取り入れて、自分をちょっとずつアップデートしていく――
ことなのでは?と思いました。
そして確かにそんな感覚が、音楽の学びを通して確かにあります。
学んでいると、ふと“ハッとする瞬間”があって、自分の考え方の狭さに気づいたり、新しい視点に出会ったり。
そういうとき、「まだまだ知らないことって多いな」と謙虚になります。
なので私にとって音楽を学ぶ時間は、
自分を更新していく時間と感じます。



