今回は、私がよく聞いているポッドキャストを紹介しようと思います。
その名も 「Piano Puzzler®」。

アメリカの公共ラジオで配信されているクラシック音楽番組「Performance Today」のコーナーで、作曲家 Bruce Adolphe さんが登場して、ちょっと不思議で面白い問題(パズル)を出してくれます。
Piano Puzzler®とは?クラシック音楽クイズの人気ポッドキャスト
この番組を知った時、私は、そうきたか〜って思いました。
音楽に関するクイズとして、こんなアプローチもあるのかと。
この番組の構成を紹介します。結構シンプルです。
- 誰もが知っている曲(ポップスやミュージカルのナンバー、民謡など)が、
- クラシックの作曲家が書いたように“変身”して演奏される。
リスナーはその演奏を聴いて、
- 元の曲は何か?
- どの作曲家のスタイルで演奏されているか?
を当てる、というものです。
例えば「ショパンの曲に組み込まれたビートルズのソング」など。
また、この番組の1番の魅力は、
「リスナーがヒントを受けて、その正解に至るプロセスが聞ける」ことなんです。
私も聴きながら「え、これ聞いたことあるけど、何の曲?」「ドビュッシーっぽい、けどもう一つの曲はなんだろう・・」と推理していくのが、楽しいんです。
初心者でも楽しめる理由(クラシック音楽の知識がなくてもOK)
私はクラシック音楽好きですが、全部の作曲家のスタイルを完璧に聞き分けられるわけではありません。
それでもこの番組は十分楽しめます。
- メロディ当てだけでもOK
- スタイルの違いが耳でわかる
- エピソードは10分前後で手軽に聴ける
クラシックに詳しくなくても「遊び感覚」で参加できるのが魅力です。
日本人リスナーにとっての難しさと面白さ
でも当然、アメリカの民謡やミュージカルの定番ソングは、私も知らないことが多いので、
クラシックの曲はなんとなくわかったけど、もう一つの曲はわからないと言ったことも多いです。
でも、
「曲当てはわからなかったけど、作曲家のスタイルは推理できた!」という体験ができるのは、音楽の聴き方を広げてくれます。
わからないときもそれなりに面白いです。
英語ポッドキャストとしてのハードルと聴き方の工夫
番組はもちろん英語で進行されます。
でも、最近のAIの進化で、少し工夫をすればハードルは下げられます。
- Apple Podcastの文字起こし機能
自動で文字起こしが表示されるので、それを翻訳アプリにかければ大体の内容は把握できます。 - Notebook LM を活用
エピソードをダウンロードし、ノートブックに入力して要約や解説を確認する、という方法もあります。
少し手間はかかりますが、「英語だから無理」と思わなくてもそんなに心配することはないと思います。
Piano Puzzler®で楽しむ作曲家スタイル解説
なんとなく聞いているうちに、その作曲家のスタイルもわかってくるようになるのも、
嬉しいです。
特徴が捉えられるようになるというか。
今まで、聞いてわかりやすいのは下記の作曲家でした。
- ベートーヴェン風 … 力強いリズム、短いモチーフを劇的に展開
- ショパン風 … 華やかな装飾とアルペッジョ、ロマンチックな雰囲気
- ドビュッシー風 … 和音が溶け合う夢のような響き、色彩的なサウンド
また、クラシック曲ではない有名曲(ビートルズの曲とか)がこうしたスタイルで再構築され、
演奏されるのは、本当にこの番組の聞きどころだと思います。
最近のエピソード紹介:ブラームス風×ビートルズ「And I Love Her」
最近聴いた回では、ミシガン州の女性のリスナーが参加者でした。
曲を聴いて、すぐにブラームスの曲と正解を出しましたが、
もう一つの曲がなかなか当てられないでいました。
司会者からのヒントを受けて、正解の 「And I Love Her(ビートルズ)」 にたどり着きました。
その回の正解は、
「ブラームス風にアレンジされたビートルズの曲 And I Love Her」。でした。
ちょっと端折ってしまいましたが、リスナーがヒントを受けて、その正解に至るプロセスも
この番組の魅力です。
今回は、作曲家ブルース・アドルフの言葉が非常に興味深かったです。
彼は、異なる音楽を融合させるプロセスを 「音楽的な鍼治療(musical acupuncture)」 と呼んでいました。
面白いですよね。
色々な思考の方法があるものだ、と思います。
こういう表現に出会ってしまうのも、この番組の魅力だと思います。
日本と海外のリスナーの違い(私の感想)
あと、聴いていて思うのは、やっぱり海外ではクラシック音楽をすごく気楽に楽しんでいるなということでした。
リスナー(回答者)が自己紹介で「小さい頃にピアノを習っていました」とか「趣味で合唱をやっています」と自然に話していて、それがとてもいい雰囲気なんです。
日本だと、音楽の経歴を語るときに少しシャイになったり「こんな程度じゃ言えない」と思いがちですが、この番組では“音楽とどう関わってきたか”を気軽にシェアする文化がある。
その空気感がとても心地よくて、「日本にもこういう番組があったらいいのに」と感じました。
Piano Puzzler®の聴き方(Apple Podcast / Spotify)
- Apple Podcast / Spotify で「Piano Puzzler」と検索
- ウェブサイト YourClassical から過去回も聴けます
まとめ:クラシック音楽をもっと気軽に楽しもう
- Piano Puzzler は「曲当て+作曲家スタイル当て」のクイズ番組
- 短くて気軽に聴ける
- 英語はネックだけど、文字起こしや翻訳を使えば大体の概要はつかめる
- 海外の“音楽を気楽に楽しむ姿勢”にも学べる部分がある
「今日は当てられるかな?」と気軽に再生してみると、音楽がちょっと違った角度で楽しめるはずです。

